傷ませないヘアカラーの極意。少しのひと手間で仕上がりが劇的に違います!

カラーリング

 

 

コロナウイルス感染症拡大防止策で緊急事態宣言が発出されて以降、不要不急の外出を控えるのが日常となってきました。

でも髪って伸びるんですよね~

 

 

「いくら外出自粛だからって、もうそろそろ白髪染めもしないと限界」

 

 

そこで外出自粛中のセルフヘアカラーについてのちょっとしたテクニックをお伝えします。

 

 

 

毎月根元からひょっこり現れてくるにっくき奴、あの白く輝く目立ちたがり屋を成敗する白髪染めについて、セルフカラー時にぜひやっていただきたいアドバイスをば。

 

ご自宅でも簡単にできるセルフカラーはその手軽さから人気がありますよね。

種類も豊富に揃っていて、毎月ご自分でという方や、美容室で染める間隔の合間に1,2回ポイントで染める方などなど、本職の美容師の地位を脅かす勢いのセルフカラー。

緊急事態だからこそ特別におススメする、髪を傷ませないセルフカラーのやり方をご紹介。

緊急事態だからですよ!

 

 

 

サロンカラーとセルフカラーではココが違う!

 

「髪には履歴が残っている」ってご存知でしたか?

半年前のカラーやパーマは根元から約6㎝前後のところにその痕跡が残るのです。

元々、髪という物質は毛根が新陳代謝した後の死滅細胞です。ですから自分で治癒していく力がありません。

ヘアカラーやパーマで髪に「傷」を作ると、その部分はカットされて無くなるまで「傷」が続き、酷くなることはあっても治ることはないのです。

死滅細胞の髪だから「傷」が出来てどんどん傷んでも、ハサミで沢山カットしても痛くもなんともないのです。髪のダメージに気が付くのが遅れる原因は、なにも感じないからなのです。

 

この世に生を受けて頭皮から出てきた時点で死滅細胞の髪ですから、傷ませるとハゲるという事実はなく髪のダメージと薄毛の因果関係はありません。

ただ注意しなければいならないのは無理な施術(強い薬剤とか髪を強く引っ張るとか)で頭皮にダメージが及んだ場合は抜け毛につながることもありますのでご注意を。

 

よくサロンでのヘアカラー時に目にする光景ですが・・・

自分自身で髪にヘアカラーを塗布する時、こんな風に細かく分け取って染めたい箇所だけ染めるなんてできませんよね?美容師である私ですらできません(笑)

 

サロンでは美容師がお客様の横なり後ろなりに自由に立って両手を使って作業しますから、簡単に染めたい部分を塗り分けして昔の履歴が残る毛先を外したりできるのです。

 

でも、自分で染めるときはまんべんなく塗布するだけで精一杯ですよね?

 

セルフカラーでも絶対に髪を傷ませない。その方法とは?

 

ご自宅でヘアカラーを施術しようと思いドラッグストアなどで薬剤を購入する時に試供品程度のものでも、または安売りされているものでもなんでもいいのでトリートメント・コンディショナー・リンスと名の付くものも一緒にご購入ください。(普段使いのものはもったいないので)

 

 

用意したトリートメントをカップへと移します。

髪の長さミディアムに対して30gくらいが目安です。

 

 

 

あらかじめ髪は濡らしてタオルドライしておいてください。濡れている方が作業しやすいですし薬剤の塗布のしやすさが断然違いますので。

 

 

細かく分ける必要はありませんので、ざっくりとでもしっかりと毛束にトリートメントを馴染ませていきます。

 

 

染めたい場所(今回は白髪染めなので根元の新生部)にトリートメントが付着するとその部分の染まりが悪くなりますので、そこだけは避けてあとはたっぷりと。

 

トリートメント・コンディショナー・リンスの違いは?

トリートメント=髪内部に浸透してダメージ補修成分が配合されているもの

コンディショナー=バラバラな髪のコンディションを整えトリートメントの作用を助ける

リンス=表面のザラつきをコートして絡みなくすすぎをしやすくする

 

厳密に言うと上記の3種は常時同時に使うものなのです。

 

コンディショナーで髪のコンディションを整えます。その後、コンディションが整って吸収吸着率が高まった髪へトリートメントを塗布。数分のインターバル後、軽く水洗します。髪内部にトリートメント効果が浸透したので最後にリンスで表面をコートして髪内部のトリートメントの流失を防ぐという行程が正解なのです。

現在市販されているものはそこまで厳密ではありませんから、どれかひとつお気に入りものをお使いいただければいいと思います。

 

傷ませたくない毛先から中間部分にしっかりとトリートメントを塗布し終わりました。

 

今回初めてカラーをされる場合=毛先の処理はいりません

サロンを含めて何度もヘアカラーをされていて、今染まっている色味を変えたくない場合にも毛先への前処理は有効です。その場合はより染まりづらくさせる為にトリートメント+リンスの重ね付けをおススメします。

 

顔周りの皮膚はきめが細かくヘアカラーが残留しやすいので油性のクリームで保護します。耳の周りなども塗布しておいてください。

 

 

1剤と2剤を混ぜた泡のヘアカラーを塗布していきます。

 

 

パッケージでよく見かけるこの状態で既定の時間の経過を待ちます。

その後にシャンプーします。

 

 

 

今回は毛先の処理とセルフカラーの操作性を試したかったのでクリームタイプのヘアカラーも用意しました。

 

 

2剤を混ぜて反応させる点では我々本職の美容師が使う薬剤と同じです。

 

 

 

薬剤のクリーム状という性質上、塗り分けはしやすいと思います。最初は白髪が気になる染めたい箇所を中心に塗布していきます。

 

 

分け目、生え際フェイスラインは最初に塗布してください。

 

 

しかしクリーム状という粘性が邪魔をしてセルフでの場合、頭髪の内側の根元にまで薬剤が届かず結局、指でもみ込みながら根本(白髪)に行き渡らせるようにしないと塗布できません。

 

 

 

 

やはり、セルフカラーでの施術の場合には毛先へのトリートメントによる前処理は絶対にやっておくべきですね。

 

 

ヘアカラーは前処理と同じくらい後処理が大切。色持ちの良さとダメージ軽減を実現する裏ワザをこっそりご紹介。

 

既定のヘアカラーのタイムを置いてシャンプーをします。

シャンプーが済んだら軽く髪の水分を絞って、頭皮に収れん化粧水を塗布します。

ここがとても重要です。

手に取ってパタパタと頭皮にまんべんなく。すると先ほどまでヘアカラーが作用していた髪の根元にも収れん作用が行き渡ります。

収れん化粧水の塗布が終わったらそのまま流さずいつものトリートメントを塗布して数分インターバルで流して終わりです。

 

 

通常シャンプーをすればヘアカラーはすべて洗い流されスッキリしたように感じますが、髪の内部では未だヘアカラーの効果は続いています。

2剤を混ぜて使うタイプのヘアカラー剤は、髪の内部へ浸透して髪の主成分であるタンパク質に働きかけて色を発色(染色)させます。

強アルカリの力でカラーを浸透させるので、どうしてもシャンプーでは落としきれない髪内部にアルカリ性の残留物が残っていました。

この残留アルカリがカラーの退色やのちのダメージの原因だったのです。

 

人の身体のphは6

中性のphは7

酸性のphは2~3 (レモン、クエン酸、食酢)

アルカリのphは10~11 (ヘアカラー、パーマ)

ph(ピーエイチ)酸性~アルカリ性の値を示す度合

 

ヘアカラー後の髪のコンディションを維持させるのは、収れん化粧水を使った「中和」の作業に秘密があるのです。

 

 

普段は使うことのないセルフ系2浴式ヘアカラーを試してみて

 

今回ビックリしたのは、泡カラーの使いやすさと操作性の良さでした。2つの液体を混ぜて、泡にして塗布。泡だから髪の根元への吸着率もよくシャンプーをしているような感覚で使えました。

サロンでの施術でしっかりと塗り分けをしながらのカラーリングでしたらクリームタイプは使いやすいですが、ご自宅でのセルフカラーなら泡カラーの方が操作性もよく短時間で塗布が終わるのでダメージ軽減にもつながりそうです。

ですが、その操作性の良さから塗り分けはできませんので、必ず毛先へのトリートメントによる前処理は必須です。

もし毛先への保護を怠ってカラーをしてしまった場合は放置時間中にはずっと、せっかく自分の大切な毛先へ後ろめたさと後悔の念を感じてお過ごしください(笑)

一方でクリームタイプのヘアカラーはやはり誰かに塗布してもらうには塗り分けもしやすいですしよいかと思いますが、セルフではやり難さばかりが目立ってしまいました。

市販の分量だと頭全部に塗布するにはちょっと足りない気もしますし。

クリームタイプのヘアカラー剤は調合の分量が決められるので必要な分だけ混ぜて、フェイスラインやもみあげ、分け目などポイント使いがおすすめですね。次回のサロンの予約までまだ少し期間があってどうしても気になるときには大変良いコストパフォーマンスではないでしょうか?

 

でも!ホントは定期的にサロンで染めてほしいなぁ~!(笑)

 

とても身近で手軽なセルフカラー剤ですが、その怖さも知っておいてほしい

 

ご自宅でヘアカラーをされる場合は必ず説明書をよくお読みの上、正しい用法でご使用してください。

せっかく綺麗になるための作業だからこそ慎重に。

 

1剤と2剤を混ぜることで発色や脱色をさせるヘアカラーは医薬部外品とされています。

医薬部外品(いやくぶがいひん、quasi drug)とは、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に定められた、医薬品と化粧品の中間的な分類で、人体に対する作用の緩やかなもので機械器具でないものである。 出典– Wikipedia
作用は緩やかですが、体調のすぐれない時や傷があったりした時、元々体質に合わない場合に稀に劇症型のアレルギーを引き起こすことがあります。
特に同じ日に別々の医薬部外品を短時間で重ねて使うとそのリスクが高まります。

染まらなかったや足りなかったで別の種類のカラー剤を再購入して、その日うちに再施術してしまうとか、ストックしてあったカラー剤と別に用意した薬剤を混ぜて使う行為には注意が必要です。

外出の自粛により鬱々とした気分に苛まれることもあると思います。そんな時は手軽に変化の楽しめるセルフカラーも気分転換になるのではないでしょうか?
でも、自粛期間が終わったら是非サロンに足を運んでくださいね。

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